遠眼鏡屋2

新しい教育方法の適用について

前稿のテーマについてさらに書いてみたい。
一般に教育を論じるのは難しいといわれるが、対象世代と対象分野を限定して考えるなら、大きな蹉跌は来たさないと考える。約20年ほど前、おおいに話題になった「ゆとり教育」にしても、受験対策中心の詰め込み教育をやめ、生き抜く力、考えぬく力を育てたいとの動機は良かった。ただ惜しむらくは対象を小学・中学生に絞って考えたのが良くなかった。以前書いたことなので、これ以上述べないが、対象世代と対象分野という視角を忘れないようにしたい。

さて、問題は新しい教育の方法論についてである。反転授業やブレンディッド学習はアメリカから始まったようだ。情報通信技術の先進国のアメリカらしい速い動きであるが、従来の教授法に欠点があるというよりは、高等教育需要の高まりと教育費の高騰への対策が求められる中、ICT(Information Communication Technology)有効活用の一環として考案・唱導されてきた面が大きいと思われる。この点日本においては、教育需要や教育費の動向に変化があるとしても、アメリカほど急激ではないわけで、関係者の取り組みも差し迫ったものでなく、実験・実証の段階という趣きが感じられる。
 参考:MOOCsの効用...Blended Learning(1)

しかし、前回触れたように、大学その他の研究機能に停滞現象が見られるに至ったとなると、事態は急を要すると言わざるを得ない。大学等の抱える人材についても教育部門から研究部門への重点配分が必要となろう。弱体となる教育部門を補強する意味からも、新しい教育法の適用が実際問題になる日は近いのではないか。

そしてさらに書くならば、そのオンライン授業のシステム・中身に関して、大幅な進化を実現してもらいたい。すなわち、現行の動画(おそらく講義教室を撮影し、使用資料を近撮したもの)の云わば垂れ流しなんぞでなく、教材を対面・対話型システムに構築し、学生の応答状況や思考過程を逐一個人データベースに記録・保存し、後の教室での対面授業時に資料として活用できるような形になることを管理人としては期待している。どうせICTを使うなら、そこまで活用しなさいということである。