遠眼鏡屋2

高所得層から低所得層への所得移転 ーー 賢者の石を求める

内需拡大というと、誰でも思いつき、でも実行には政治的な理由で困難がつきまとうのが所得移転だ。例えば個人の所得税累進課税である。最高税率は現行50%近かったと思うが、昔松下幸之助さんが苦情を述べた当時は70%であったから、随分税率グラフはなだらかになった。

他方、トマ・ピケティが唱えるのは、資産課税による財産移転なようだ。当然ながら、アメリカの主流派経済学者(例えばマンキュー)は、そういう手段は経済成長にマイナスの影響をもたらすと反対しているらしい。だが、ピケティの主眼は所得や財産分配の格差是正であって、経済の成長はそのあとの問題であろうから、議論はかみあっていない。また、管理人などは、資産課税のない国への資産フライトが盛行するにちがいないと予想するが、その上をいくピケティさんは全世界的な資産課税を提唱しているそうだ。

ともかく、世界中が需要不足による低成長に困っているのだから、やれることは何でもやる精神が必要だと思う、という当たり前のことを言うしかないのが残念なところだ。