遠眼鏡屋2

ストロー現象とDID ーー 賢者の石を求める

前回紹介の記事では、識者のお二人が地方再開発の選択肢が相当少ないことを語っていて、苦い思いで読んだ人もいるのではないか。管理人は東京などの大都会との連絡が便利になりすぎた結果としてのストロー現象が経済活動や人口の減少にとどまる段階から有力人材の流出が続く新たな局面に移ってきたとの指摘におどろいた。だんだん自力救済が不可能になりつつあるのであろうか。

他方、DID(Densely Inhabited District)という人口集積地区の概念を中心にしてモノを考えるのには大いに興味を感じた。1平方キロあたり人口4千人の地区が全国に1300地区あるとのことだが、その地区が集中隣接しているのなら、単純計算で10キロ四方に100地区で40万人の准大都市が13都市となる。でも40〜50万都市が13出来たとしても、収容人口は1千万未満であろう。すでに存在する巨大都市圏に住む人口はせいぜい5〜6千万であろうから、合計で7千万が都市住まいとなるが、残り4千万の人たちは全国にうすく散らばって生活をしていると思える。

日本に余力があるのなら、そういう自然豊かな地方暮らしを続けていただきたいのだが、赤字自治体の増加傾向からみて、早晩十分な行政サービスをくまなく提供できる時代は終わるのだと思う。結局、集積・集住をすすめるしか妙案はなさそうだ。キーワードはモビリティだ。国全体のモビリティを高めるほかあるまい。(注)

先祖伝来住んできた山間の別天地をあとに残して、新設の都会に移り住むのを拒否する人も多いであろう。だが、ほどよい大都市の空間で生活するのも案外生きがいに繋がるのではないか。そしてなによりも人がふえることによる経済的な充実が新しい幸福感のみなもとになるようにも感じるのであるが、いかがか。

(注) ここにモビリティとは、交通網充実の意味ではない。全国的な人口の都市への移動の意である。平成の民族大移動と呼べるものである。