遠眼鏡屋2

賢者の石を求める(2)

著者松村氏の用意した注目点、1)人口減少、2)デジタル革命のもたらすデメリット、3)経済的需要の飽和、に沿って考えるとして、今回は、3)の問題について書いてみる。というのも、おりから中国のご発声によるAIIBが世界の注目を浴びているからだ(そのように日本では報じられている)。

これまで米国+日本の主導のもとに進んできたアジア諸国の経済開発が新たに中国色の強いと言われる国際機関によっても主導されることになるらしい。何やらこの地域でのヘゲモニー争いが始まるような受け止め方が報道機関に多いような気がするが、一歩原点に戻って支援を受けるアジア諸国の視点からみると、二つの大きな国際機関が並立して地域支援する体制が整うのは誠に喜ばしいことであろう。

競合により金額的な拡大が期待できるだけでなく、支援先の選定においても、一層合目的的な支援がふえると思われる。一般的に、独占的な支援体制には被支援国の真の需要以外の事柄が混入しやすいであろう。二機関の相互監視のもとで被支援国の意向が尊重される可能性も広がる。この際、先進支援国側の希望が通りにくくなるなどと愚痴をいうのは止めておこう。

また、メリットは被支援国ばかりでなく、実は先進国側にも及ぶ。支援を受ける途上国は先進国にとって、いわば金の卵でもある。時間がかかるかもしれないが、松村氏のいう「低開発化」の足かせを取り除くことができれば、アジア諸国の本格的経済発展・成長が実現し、将来の大需要国に成長してくれるのはかなり確実ではないかと予想する。

なにより長期的視点が重要なのだ。まことに、情けは他人(ひと)の為ならず、なのである。