遠眼鏡屋2

金融市場

原油価格が下落している。
原油価格の低迷がもたらす物価下落と需要減退の不安

下落の要因として、記事は世界経済の成長鈍化と原油の供給過剰を挙げ、もしOPECの減産がないなら、WTI1バレル70ドルもあるとしている。

ではその先60ドル、50ドルと下がり続けるかというとそれはないと思う。理由は二つある。
一つは、アメリカ、カナダを中心に行われているシェールオイル掘削のコストが案外高く、バレル80ドル台以下では採算が合わないというから、それ以下では生産量は減少するものとみられること。
もう一つの要因は、国際商品としての原油の価格は米ドルの信認に大きく作用される面が強くなっている点である。2008年例の住宅証券バブルがはじける直前に、原油価格は100ドルを一時的に越したが、その後60ドルまで急落したと記憶する。国際的な投機資金があるときはドル、あるときは原油など国際商品を駆け巡るのである。そして今はといえば、アメリカ経済の復調がはっきりするに伴ってドル信認も復活、金利も上昇が近いというので、原油価格が急落した面があるのではないかと見ている。

さて、書きたいのはこうした予想の問題ではない。記事は後段で次のようにいう。

 基本的には、原油価格の下落は、消費者や企業のコスト負担軽減となり、景気にとってプラスである。
 しかし一方で、さらなる下落となれば、金融市場はそれを世界景気減速のサインと受け取り、センチメントが悪化する恐れがある。そして株価が下落すれば、景気にも悪影響を与え得る。
金融市場の受け取り方が経済のセンチメントに影響し、実経済を左右するというのであろう。30年まえまでの日本経済は金融経済も実物経済も表裏一体の関係で手をとりあって共に成長していたから、上のような表現には説得力があった。しかし今は、あるいは将来はどうなんだろう。金融の機能がすこしずつ実体経済から遊離しているのではないかという気がしてならない。しばらく考えてみたい。

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