遠眼鏡屋2

インタゲ派とリフレ派(中)

リフレ派といえども適度のインフレーション実現を重点目標とする点ではインタゲ派と異ならない。しかし彼らの場合、目標にいたる途中のプロセスに並々ならぬ関心を寄せているように見える。

もともとリフレーション有効需要の増減による景気安定化政策の一つであって、ディスインフレーションと対を成すものであろう。このリフレーション政策に新しい意味づけを見ているのが今の「リフレ派」ではないかと思う。すなわち、金融政策が為替レートに非常に大きな影響を与える事実の再発見だ。

財政の出動が思うにまかせぬ現下の日本経済にとっては、金融政策で円安に誘導して輸出の増大をはかり、それを通じて投資や消費の内需を拡大するという道のりは魅力的に映る。変動相場制のもとで国が為替レートに介入するのはタブー視されてきたが、金融政策でそれが代替できるならこんな好都合なことはない。管理人などは、すぐにも着手すべしと思う。だが、要路の専門家(日銀、財務省国際局、金融機関)にいわせると話はそれほど簡単でないらしい。そのあたりの事情を知るヒントが 浜田宏一イェール大学教授 憂国のインタビュー第3回  聞き手:高橋洋一日本の新聞が日銀批判を語らない理由 にある。

ともかく、日本がもたもたしている間に、中国も、アメリカも金融政策による為替誘導で経済を拡大させているではないか、わが国もまずこうした正攻法で突き進んで行くべきだ、そして、ゆくゆく3%程度のインフレが起きたとしても、それを抑制する必要はない。それがリフレ派の偽らざる声であろうかと愚考している。

こう書くと、1930年代の平価切下げ競争が第二次世界大戦につながっていった暗い歴史を思い出す人もいるであろうが、あの当時になかった知識と節度が世界の主要国にあると言えるのではないか。