遠眼鏡屋2

インタゲ派とリフレ派(前)

元来、高インフレ経済の沈静化目標として考えられてきたインフレターゲットを1990年代の日本のように通常の経済金融政策では打つ手のないほどに湿った状態から反転活性化させる手段に使えるのではないかと提案したのはバーナンキクルーグマンといったアメリカの経済学者だったようだ。

余談だが、彼らの心底に日本を実験台にしてこの新しい政策の効果を試したいという学者的好奇心がなかったとは言い切れまい。というのも、後年リーマンショックのあと今度はアメリカが実験台になる好機がきたのであるが、FRB議長になったバーナンキはその時点ではインフレターゲット採用の気配をみせず、またクルーグマンは10年まえ日本に迫った「強いインタゲ政策」をアメリカ自身が不採用としたことに関し、「日本に謝らなければならない」と書いた。その後紆余曲折を経て今のFRBは緩やかなインフレターゲットを採用し、QE(Quantitative Easing)という量的緩和措置(非伝統的緩和政策)を打ち出している。

それはともかく、2000年代半ば(ナカバ)になりゆっくりながら経済が勢いを回復するのを見て、インタゲ派の学者さんの多くは徐々に矛をおさめ今度は実現性の高いリフレーション政策を提唱するように変わっていったようだ。リフレーションの一通りの理解は次のサイトで得られると思う。
リフレーション

ところがその後わが国が2008年のリーマンショックの悪影響を先進国中もっとも深刻に蒙(コウム)るにおよび、ふたたび日銀の対応に不満が溜まってきた。これが最近「デフレ脱却」が声高に叫ばれるようになった背景であろう。

リフレ派については今すこし観察すべきことがあり、またその関連でインタゲ派についても注目する点がありそうなので、来年書いてみることにしよう。