遠眼鏡屋2

中村勘三郎さん

勘三郎さんが病と闘ったすえ亡くなったと報じられている。とりわけ歌舞伎ファンでもない管理人であるが、妙にこの役者さんには好感を抱いてきた。

昭和31年頃のこと、父母と日劇に行ったことがある。ラインダンスなどのショーの幕間(マクアイ)にコントがあった。ちょうど年末のことでサンタクロース姿の大柄の喜劇役者(岸井明)が大きな白い袋を背負って舞台に登場、中央に進んで背中の荷物を大事そうに床に置き、袋の口を開くと、中から可愛い男の子がぴょんと躍り出た。それが後の勘九郎であったと思う。「まあ可愛い」と周りの大人たちから盛大な拍手が湧きあがった。

栴檀(センダン)は双葉より芳しというのか、今でいう華があった。以来この人のことは興味をもって眺めてきた。芸域も広く、進取の気性あふれる役者であるとの評にさもありなんと深くうなづいてきた。

57歳、おしい逸材を失ったものだ。合掌。

広告を非表示にする