遠眼鏡屋2

マッチング理論、ホワット?

ノーベル記念スェーデン銀行賞(経済学賞)がマッチング理論で貢献のあった二人のアメリカの学者に与えられたが、マッチング理論が分からない。と思っていたら、2012年ノーベル経済学賞:マッチング理論 がわかりやすく説明をされておられる。勉強になった。

財サービスのように価格を媒介にして需要と供給を結びつけるのが市場なわけであろうが、もし価格に相当するものが無かったらどうするか。それを解くのがマッチング理論となるようだ。正確なところはリンクを読んでいただくとして、上記エッセイを読みながら、例に挙げられていた安定結婚問題と一見似ているのに求人求職問題があるのではないかと考えた。ただし、ここにいう求人求職問題はいわゆる就職問題とは違うものだ。

日本の就職市場(マッチング現場といってもよい)はあるべき求人求職マッチングの場にはなっていない、と思う。勿論就職活動の現場では、職務・職能・環境・待遇・将来性、やり甲斐、成長機会などの言葉が行き交うのであるが、あくまで建前のことであって、本音のところでは、職場の(企業の)用意する所属員身分をめぐる売り手と買い手の交渉の側面が強いのではないか。そしていったん話がまとまると、そこは身分の事であるから当然終身つづけるということになる。

経営学者とか経営コンサルタントなどの専門家のお書きになったものを読むと、要するに我が国の雇用関係には前近代の要素が色濃く残存しており、戦後に導入された労働法規なども結果的にその労働慣行の存続を助長するような構成になっているようだ。右肩あがりの成長時代にはその仕組みで良かったのであろう。だが、人口減少と長引く低成長のこれからである。ゆっくりと確実にしかも犠牲の少ないやり方であたらしいシステムを作り上げてもらいたいものだ。あるべき求人求職問題がその新システムの重要な部分を占めるのは間違いないと思う。