遠眼鏡屋2

レアアース問題のその後は全く様変わりとなっていた

二年まえの中国漁船尖閣侵入事件の際、中国政府がレアアースの対日輸出を規制したことを記憶する人は多いであろう。今回も同様な手段を講じてくるのかと思っていたら、事態は一変していて、中国側にそんな余裕はないという記事を見た。
レアアース規制の誤算 日本の技術力を甘く見た?中国業者が取引懇願

この二年間レアアースの単価は引き上げられたのであろうが、値段が上がれば上がったで、日本企業のなかにレアアース無しあるいはレアアース極小化の技術開発が進み、またレアアースの輸入先の数がふえたりして、日本の対中輸入需要は半減しているようだ。

[2013.03.01追記]
上記リンク先がリンク切れしているので、その元記事サイトURLおよび記事テキストを掲示する。
レアアース規制の誤算 日本の技術を甘く見た?中国業者が取引拡大懇願

【ビジネスアイコラム】
 中国の“世論”が日本に対する経済制裁措置としてレアアース(希土類)の輸出規制に乗り出すよう政府に迫っている。中国メディアは、2010年9月の中国漁船衝突事件後の輸出規制で日本の産業界が右往左往した経緯を挙げ、あおっている。

 だが、ことレアアースに関して輸出規制に踏み出せるかどうか微妙な情勢だ。状況が2年前とは一変しているからだ。

 安価な中国産レアアースに頼り切っていた日本の産業界だったが、2年前のチャイナリスクへの反省から足腰を鍛えた。対中依存度を引き下げようと日本企業は、レアアースを使わない製品やレアアースのリサイクル技術を続々と開発した。

 この結果、中国の対日レアアース輸出量は11年に前年比34%減となり、今年も大幅な減少傾向にある。日本企業も「やればできる」ことを証明した。しかもオーストラリアなどからの供給が本格化し、中国産の需要はますます減っている。

国際社会の監視も厳しい。世界貿易機関WTO)は、中国のレアアース輸出制限措置をめぐる日米欧の提訴を受け、8月に調査の開始を決定。直後に訪中したメルケル独首相に温家宝首相は、レアアースの輸出抑制は行わないと言明している。

 中国は今年のレアアース輸出枠を昨年比横ばいの3万966トンに設定したが、業界関係者は「輸出量は枠に達しない可能性もある」とみる。欧州債務危機を背景に欧米への輸出が振るわず、中国の今年上期のレアアース輸出総量は43%も減少した。中国のレアアース業界は軒並み大幅に減益している。輸出不振に加え、国内での過剰生産と在庫増大によるレアアースの価格下落も、中国にとっては大きな“誤算”だった。

 新華社電によると、レアアースの主要産地の一つである江西省では9月、省エネ車の高性能モーターなどの製造に欠かせない酸化ジスプロシウムの価格が1トン当たり300万元(約3720万円)と、昨年のピーク時に比べて3分の1に急落。強力磁石の原料となる酸化ネオジムも今年3月につけた1トン=58万元をピークに、9月は36万元まで38%近く下落している。

 中国国内の業者は在庫を解消しようと、減産や生産停止に追い込まれている。山西省の大手ネオジム磁石メーカーの場合、工場の稼働率はピーク時の6割減という。

 業界関係者によると、中国の業者は「日本企業にもっとレアアースを調達してもらいたい」などと取引拡大を懇願してきているという。

 こうした状況下で中国政府が対日経済制裁として輸出規制に踏み切れば、日本を有力な輸出先とする中国企業が逆に打撃を被る。WTOによる調査も進む中で、「対抗措置の手段にレアアースを利用すれば中国は再び国際的な非難を浴びる」(日中関係筋)のは確実だ。中国がチラつかせる“切り札”にどう対処すべきか。日本はレアアース問題で、いい経験も積んだ。(産経新聞上海支局長 河崎真澄)