遠眼鏡屋2

クリントイーストウッドの「empty chair speech」

8月末の米共和党大会でロムニーが正式の大統領候補になった。その受諾演説の一つ前のスピーチは映画俳優かつ監督のクリント・イーストウッドであったのだが、これの出来が今一つであったことが全米中の話題になり日本にも届いた。酒に酔っていたのではないかなどとおもい、直に確かめてみた。
Clint Eastwood's improvised, 'empty chair' speech was not a mistake (Video)

結論からいうと、推薦演説を台無しにしたわけではなく、ポイント3点を膨らませて話しを面白くするために、十分考えないままに椅子を使った即興芝居を演じてみたが、それがこけたという感じだ。今年77歳の老人のくぐもった声と度重なる言いよどみが輪をかけている。

ポイントの3点は、とかくハリウッドは左翼が主流と思われているが(私のような)常識人もいる、オバマは4年まえの約束を実現していない、国民は業績の伴わない政治家を遠慮なく追い出すべきだ、というもの。

しかし、この事件が大きな話題になったのは、スピーチの直前まで話す内容を決めていなかったとの述懐と一見リベラル風の彼の監督作品群を考え合わせると、本当は彼の応援熱意はそれほど高まっていなかったのではないかと多くのアメリカ人が感じたということではないだろうか。

とにかく、余韻の残るなか、彼のあとにロムニーが受諾演説をしたのであるが、その影が薄くなったというのだから、監督イーストウッド恐るべしというところだ。