遠眼鏡屋2

長期に眺める

原油価格(WTI)の推移

West Texas Intermediate とは原油価格の指標に使われる米国産の油種である。硫黄分の少ない良質な油種であるため、相対的に高い価格となっている。日本の輸入するのは大部分が中東産の重質原油で、代表的なドバイ原油の価格はWTI の7〜8掛け程度である。これらを十分に活用できるのは、日本の優れた脱硫技術のお蔭である。

それはともかく、二つ目のグラフをみると、そこに入っていない1970年代には二回の石油ショックがあって、原油価格はバレル当たり 2.5ドルからバレル 25ドルに上昇した。その後20年間は漸減傾向にあったものが、2000年代になって突然急騰して、いまや 90〜100 ドル近傍を上下している。原因はイラク戦争や米国の住宅金融バブルというのが一般的な理解であろう。また、リーマンショックの影も色濃く読み取ることができる。

そしてさらに、中国やインド、ブラジルなどの新興大国の経済的な急拡大を前提にするなら、今後原油価格は一層の高騰を続けると見るのが常識である。いや常識であった。

だが、ちょっと違うストーリーを予想させる事実が、はしなくも一つ目のグラフから読み取れるのではないかと思う。昨年あたりから見られる大きな上下動である。いろんな要因が関係しているのだろうが、少なくとも最大の要因は原油に代替する可能性の高い天然ガスの予想埋蔵量に劇的な変化が起きているのではないかということだ。

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