遠眼鏡屋2

工学は民間にふさわしい

科学、技術、工学。
サイエンス(Science)、テクノロジー(Technology)、エンジニアリング(Engineering)。
帰納法演繹法原価計算

どういうわけか、日本では最後の工学、エンジニアリング、原価計算が過大に評価されてきた。原因の一つは、翻訳の際の逆転にあるのではないか。有名なアメリカのMIT(Massachusetts Institute of Technology)はマサチューセッツ工科大学と訳される。なぜ、技術大学ではないのだろうか。思うに、この国では、「術」は大工さんや左官屋さんなどの職人の技術の意味合いが大きく、「学」は大学で学ぶ類の高尚な知識体系を予想させたのであろう。Technology を「技学」あるいは「技道」、Engineering を「工術」と翻訳してほしかった。

今回の原発事故についてたくさんの原子力工学者がテレビなどに登場したが、要するに彼らの知識の大宗(タイソウ)は仕事をしながら身につける職人技であることが見て取れた。科学や技術を探求する者としての謙虚さに欠ける人も相当いることがわかった。

ことは原子力工学だけではないであろう。国民の税金で賄われる国立大学では、科学や技術を扱う理学系の部署より工学系の部門が大きいのが普通である。年々予算制約が厳しくなるというのだから、工術部門の教育は民間主体に移行させたらいかがか。
三菱重工業立工術大学とか、日立製作所立工術大学とかの設立をうながして、国立・公立大学では、遠い将来のための科学や技術(テクノロジー)に研究をしぼってもらいたいものだ。